「チロ物語」

2002年11月19日


 1949年にドイツが東西に分断されてから40年
 ベルリンの壁が築かれてから28年後の1989年11月9日、ついにベルリンの壁が崩されました
 それはドイツ国民の悲願であった祖国統一の11ヶ月前、東西ドイツ統一のシンボル映像となりました

 その後ベルリンの壁が崩壊して東ドイツから西ドイツへ沢山の人が買い物をするためになだれ込んできて
 街の駐車スペースは完全にバンク状態、何処へ行っても30分待ちなんてざらでした
 
 そんなある日、駐車場待ちにくたびれ果て、公共の交通機関に変更しましたが、朝、電車の駅まで歩くのがすごくいやでした

 思案します・・・なんとか早く移動できる方法はないかと、スケートやスケボー、折りたたみ自転車、
 しかしどれも安全性に欠けたり不便でした・・・というのも駅には長い階段があったからです

 安全で簡単に乗ることが出来て軽いもの・・・ちょっとした案が浮かびました

 それからしばらく経った1993年。。。ついに本格的な開発に取りかかり始めます

 先ずは一晩掛からずに試作した製品です・・・でも人混みの多い場所での操作が困難で安全性も今ひとつ、
 結局あまり早く移動することが出来ませんでした

 その後チロ独特のハンドリングシステムを発明して、道具を使わずに簡単に折りたためる機構も作りました・・・これで発車しそうになる
 電車に間に合います

 1994年に現在のチロへと受け継がれているいわば原型ともいえる製品が完成したわけです

 その2年後の1996年に製品として販売し始めました

 こうしてチロは「都市型移動手段として、素早く短い距離を移動するための乗り物」として誕生したわけです

 名称もCIRO(チロ)、CityRoller(シティローラー)の略称としました

 ドイツ各地は当然、その他にもヨーロッパ、アメリカ、カナダ、南アメリカ、イスラエル、クェート、サウジアラビア、
 そして日本でもチロは走っています

 今まで18年間も大手自動車会社の備品のデザイナーとしてドイツとイギリスで働いてデザイン、品質管理、顧客管理と
 一通りの仕事をしながらCADの紹介もしていました・・・そして2000年に独立を決心したわけです!

 スタッフは小高い丘の上に会社があるので全員が使用しているわけではありませんが、都市部で行われる展示会等では全員乗っています

 ホームタウンであるベルリンは平地なので毎日チロに乗っていて、2キロ前後の移動はチロだけで、
 もう少し長い距離であれば電車とチロの組み合わせで移動しています

 もちろん自動車にも何時もチロを積んでいます。故障して緊急電話を掛けるために長い距離を移動することになっても困りません・・・

 2000年にハンブルグで、事故で怪我をした子供達のリハビリ費用を集めるイベントが、大勢の有名人も集まり行われました

 この時チロも警察車両として特別製のチロを提供しました

 青いフラッシュライトとすごく大きな音の出るサイレンが付いていて、ハンドルポールにはPOLIZEI(Police)と書いてあり、
 ドイツ警察カ ラーである白とグリーンのツートーン仕上げです
クリックすると大きく見られます 
   



 こうしたレポートを読んでいるとドイツ国民の質実剛健な価値観と環境に対する厳しい眼差しは、
 そのままチロを育てる環境と無関係では 無いと強く感じます

 ドイツの人々はフライブルグの「黒い森」をとても大切にしています
 「森の民」といわれるドイツの人達は、森で生まれ森で暮らしてきた・・・故に彼らは森に対して強い愛着を持っています

 18世紀には、それまで燃料や建築材として伐採され丸裸にされた森を植林して復活させ、
 近年では大戦後の経済復興による公害や大気汚 染によって酸性雨が降り、大きな被害を被ってしまった「森の死」が
 ドイツ市民の環境運動への原点となり、有識者や一般市民の協力に よってシステム化された復活劇の幕開けへと繋がり、
 今では世界各地からフライブルグへ環境問題に取り組む人達が訪れる様になりました

 こういった歴史的背景を抜きにチロを語ることは難しいだろうし、
 同じ環境から生まれ育った移動用具であるのだから環境問題に対しても 最善策であるのは納得できる

 チロに魅せられた人達は多かれ少なかれ同じ様な環境で、幾つかの不満や問題点の解決のために使用し始めたのだと考えられる

 都市部での慢性的渋滞や駐車、駐輪問題、排気ガスによる大気汚染はじめ数々の公害は世界共通の問題である

 これらの問題に対して人力による短距離の移動用具としてチロが最適なのは誰の目にもあきらかである

 日本でも今まで以上に移動用具としてチロを有効活用していきたい
Kickskater    SEIGOPROJECT 
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